”輪行”という行為から自転車を選ぶ
折り畳み自転車ユーザーなら必ず聞かれますよね。
「輪行するんですか?」
折り畳み自転車ユーザーになろうとしている人は必ず思いますよね。
「輪行してみたい」
この”輪行”という行為、折り畳み自転車の醍醐味の一つであることに疑いの余地はありません。
であれば、今回は敢えてその”輪行”から車種を選ぶのはどうでしょうか?
DAHONいいよ、ternいいよ、輪行しやすいし、という話ではありません(笑)。
輪行しやすいからDAHONいいよ、ternいいよ、という話です。
(もちろんブロンプトンでもストライダでも、なんでもいいです)
”輪行”によって楽しみが増えた!行動範囲が広がった!という楽しい夢をみつつ、車種選択する為の手順を考えてみました。
~まずは基本的なルールを理解しましょう~
・3辺の合計が250㎝以下、重量30kg以下
・専用の袋(輪行袋)に入れる。大型のポリ袋やビニールシートで覆うだけではダメ
・その袋に完全に収納する。ハンドルやサドルなどの一部が露出してはダメ
※袋に完全に収納する=標準で転がす機能がついていてもそれを使っての構内の移動は禁止、なケースが殆どです(ブロンプトン、BYB、Curl等)※
踏まえたうえで…
~事前作業に入ります~
・候補に挙がった折り畳み自転車の折り畳みサイズをカタログよりメモ
・候補に挙がった折り畳み自転車の取り扱い店、試乗車のあるなしをチェック
・自身の胴の長さ、手の長さを測定してメモ
作業を終えたら基本ルールに則り考えます。
結果、否応でも
①輪行袋に入れて手に持って移動
②輪行袋に入れて担いで移動
③輪行袋に入れて肩にかけて移動
のいずれかの手段をとることになるのは理解頂けると思います。
移動距離や輪行袋の種類にもよるでしょうが、このなかでも③輪行袋に入れて肩にかけて移動、が最も現実的に多用される移動手段ではないでしょうか?
少し強引かもしれませんが、今回はこの③輪行袋に入れて肩にかけて移動、に絞って話を進めていきたいと思います。
✓折り畳んだ際の全高が自身の肩のあたりから腰のあたりまでの、要は胴の長さとほぼ同じかそれ以下であることを確認。
アバウトでも構いません。が、大幅に超えていると、一気に運びずらくなります。
鞄を肩掛けにした経験は誰でもあると思います。
その肩掛け鞄が縦にとても長ったらどうですか?
歩きづらいですよね、きっと。
肩掛けですので、運ぶ際の自転車は肩ひもの分、肩より下がります。
それでも胴の長さと同じであれば、膝上でおさまると思います。
(イメージ図①)
✓折り畳んだ際の自転車の幅と、自身の肩のあたりから肘のあたりまでの長さが(ほぼ)同じかそれ以下であることを確認。
アバウトでも構いません。が、大幅に超えていると、担いだ状態で自転車を抑えるのがキツイです。折り畳み自転車は車種により、タイヤサイズによりここ注意です。
(イメージ図②)
イメージ図②は縦入れの為、「なんか運びにくそう感」が強調されていますが、
そこを割り引いてみても…
担いだ自転車のサイズがひざ下まであり、かつ抑え込みずらい場合、歩行が苦痛な事が容易に想像出来ると思います。
折り畳み自転車を容易に輪行しようと思えば、まずはこの2点は絶対に抑えるべきです。特にそこまで体力のないパートナーと輪行するのであればなおさらです。
上記2点を抑えた上で細かな詰めに入っていきます。
✓輪行時に持って行くであろう鞄を背負って実際に自転車を入れた輪行袋を背負ってみる。
これも大事です。
輪行袋の紹介はあくまで商品の紹介です。
使い方の紹介です。
運ぶ際の操作感、装着感の紹介ではありません。
例えば大きめのメッセンジャーバックなんかだと、背中の幅よりバックの幅が広いです。そうなると輪行袋との接触は避けられず、(場合により輪行袋を抑える妨げとなり)歩く際の邪魔にしかなりません。
横に担いだ自転車の自分より前の部分が、イメージ図③の赤い矢印の方向に、自分のほうに入り込んでくるイメージですね。分かりにくくてすみません。m(__)m
イメージ図③
※逆に肩幅、背中の幅にあった鞄だと、輪行袋に入れた自転車を支える面が大きくなり楽になる場合もありますよ。
※試乗車があるお店であれば問題なく輪行袋に入れて担がせてくれるでしょう。ただしあくまでお店の好意です。事前の確認は絶対に忘れすに。
考えて、選んで、最終的に担いでみて違和感なければその”輪行”という行為から逆算して考えた車種選択は正解という事です。
逆に最終的に担いでみて違和感あれば、その”輪行”という行為から逆算して考えた車種選択は不正解という事です。
もちろん不正解であっても、その車種に何か惹かれるものがあれば優先順位を変えていいと思います。あくまで”輪行という行為”を優先するのであれば、一からやり直しです…。
少し話はそれます。
✓車体重量はさして重要ではありません。
担いで違和感がない、という事は重さは自身の想定内であったという事です。軽さは正義、という考えもあります。しかしそれに拘り、カタログスペックで数値から見る先入観を持つ必要性はありません。
よく、展開している状態でサドルとハンドル部分をつかんで持ち上げ「軽いですね」という行為を見ますが、持ち方、運び方が変われば感じる重量感も異なります。運びやすければそこまで重量感を感じるものではありません。
✓20インチが入る肩掛け輪行袋は事前に用意しておきましょう。
”輪行”から車種を選ぶ場合、これだけはデメリットとなり得ます。
折り畳んだ車体と体とのフィッティングを試す以上、なくてはどうしようもありません。安いので構いません。中古で構いません。用意しておきましょう。
試乗車があるお店であればお試し輪行袋がある可能性もあります。確認してみましょう。
箇条書きで書けばこれだけですが、出来る限り細かく書いたつもりです。
どのメーカー、どの車種を買っていいかわからない、でも何となく楽しそう!欲しい!そんなときは敢えて視点を変えて検討するもの良いかもしれません。
こんな選び方が出来るのも折り畳み自転車の楽しみの一つです。
(例えばロードバイクを購入する際に、輪行を最初に考える人はまずいません)
ディープな折り畳み自転車沼への第一歩となれば幸いです。